「タクシー広告を出したいがどんな種類があって、どんな効果があるか分からない」
今回の記事は、そんな悩みを持った人向けのタクシー広告の種類を紹介する記事となっています。
計11個のタクシー広告を1つずつ分かりやすく解説していきます。最後に、広告を制作する際に気を付けるポイントも解説していますのでぜひご覧ください。
タクシー広告とは?
タクシー広告とは、車体や内部スペースを利用して行われる広告のことです。タクシーは都市部や観光地などで頻繁に利用される交通手段であり、多くの人々の目に触れる機会があります。
タクシー広告は24時間・365日稼働可能な広告として、その特性を活かし、企業やブランドが自社のサービスや商品を広くアピールする手段として利用されています。
以前は、タクシーのドアや内部にステッカーを貼る広告が主流でしたが、現在は助手席の後ろに設置されているタブレットで動画を流す広告が主流です。
タクシー広告の種類とそれぞれの特徴
タクシー広告と一括りにしていますが、車内に貼るステッカータイプのものや動画として流すもの、シートベルトにつける広告など、さまざまな種類があります。ここからは、そのタクシー広告の種類を紹介します。
どのような種類があるのか分かりやすく解説していくので、1つずつ見ていきましょう。
ステッカータイプ
まずは、ステッカータイプの広告です。
ステッカータイプの広告は大きく分けて5種類あり、ステッカーを貼る場所によって名称が変わります。
ステッカー広告は、簡単に設置でき、制作費が安いというメリットがあります。
ドアステッカー
タクシーの開閉するドアに取り付けられるステッカー広告です。
タクシーから降りる際、ドアハンドルの横に貼られたステッカーを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
ステッカー自体のサイズが小さく、掲載できるメッセージ量がかなり制限されますが、よく見られる場所に貼ることで、タクシー利用者に効果のある広告です。
メッセージ量が限られるということもあり、すでに一定の認知のある会社やサービスに向いているステッカー広告と言えます。
サイドウィンドウステッカー
タクシーのドアの窓に貼られたステッカーです。ドアステッカーは、ドアの内部のみでしたが、サイドウィンドウステッカーは、窓の内側と外側の両面に貼ることが可能です。
そのため、タクシー利用者だけでなく、停車中のタクシーの傍を歩く歩行者にも宣伝効果のある広告になります。
ドアステッカーと同じく、ステッカーのサイズが小さいため掲載できるメッセージ量が少ないというデメリットもあります。
タクシーが停車することが多い駅前や、交通量の多い都市部のタクシーのサイドウィンドウステッカーは、効果を得やすいです。
リアウィンドウステッカー
タクシーの後ろの窓にステッカーを貼るタイプの広告です。
このステッカーに関しては、タクシーの乗客への宣伝効果は期待できません。
サイドウィンドウステッカー同様、停車中の通行人への宣伝効果を期待できます。そして、最もターゲットとなるのが、タクシーの後ろを走る車のドライバーです。
自動車関連の広告など、ドライバーに刺さるリアウィンドウステッカーを貼ることで、より大きな効果が期待できます。
アイキャッチステッカー
アイキャッチステッカーは、防犯対策として乗客とドライバーの間に設置されているアクリル板にステッカーを貼りつけるタイプの広告です。
タクシーの運転手と会話するときに、視界に飛び込んでくるためタクシーの乗客には強く効果が期待できる点がポイントです。
メッセージを書く掲載面積も比較的大きいため、インパクトのある文章でサービスや商品のアピールができます。
しかし、車外の人には訴求できないため注意が必要です。タクシーへ乗車した人にのみ宣伝可能なため、商品やサービスは、タクシーを利用する人をターゲットにしたものでなくてはなりません。
ボディステッカー
タクシーの後部ドアにステッカーを貼るタイプの広告です。ドアステッカーやサイドウィンドウステッカーと比べても、メッセージを掲載できる面積が大きいため、より目に付きやすいです。
ここまで5つのステッカー広告の紹介をしてきましたが、予算やメッセージ量、タクシー利用者をターゲットにするのか歩行者や後方ドライバーをターゲットにするのかによって選ぶべきステッカーも変わってきます。
ステッカー広告は、短期、中期的なキャンペーンの宣伝に適しているといわれています。
続いて、ステッカー以外のタクシー広告について紹介します。
ラッピング
ラッピングとは、タクシーのすべてのドアにラッピングフィルムという特殊なフィルムを貼り付ける広告のことです。
特定のドアに限られているボディステッカーとは異なり、ラッピングは4面のドアに広告を貼ります。
隔日稼働であれば、1日におよそ300km走行するといわれるタクシー。おもわず目に留まるラッピング広告は、歩行者やタクシーを目にした人に向けた高い効果を期待できます。
ラッピング広告自体は、バスや電車にも利用されていますが、タクシーは決まった場所を走行するものではないため、普段バスや電車を利用しない人にも宣伝効果があります。
アドケース
アドケースとは、運転席や助手席の背もたれにラックを設置し、リーフレットを入れる広告です。
すでに商品やサービスのリーフレットやパンフレットを使用している企業の場合は、新たにデザインを考える必要がありません。また、費用面でも比較的安価で、タクシー広告をやってみたいという方にとっては、ハードルの低い広告となっています。
しかし、次に紹介するデジタルサイネージが、より高い効果が期待できるため、アドケースではなく、デジタルサイネージを取り入れるタクシー会社も増えてきています。
デジタルサイネージ
タクシーに乗った際、助手席の背もたれ部分にディスプレイが設置されており、そこに広告が流れているのをよく見かけるようになったのではないでしょうか。
この動画広告をデジタルサイネージといいます。
ステッカー内やリーフレットにメッセージを残していたこれまでの広告に比べ、動画でアニメーションや音声を入れることでより印象に残る宣伝が可能です。
そして、広告をスキップされることもありません。このこともデジタルサイネージを取り入れる企業が増えている要因といえます。
乗客サンプリング
タクシーでサンプリングを行うことは、広告を出す企業、タクシー会社、乗客のそれぞれに好評で3方ヨシの広告といえます。
タクシーのお会計後にポケットティッシュや栄養ドリンク、入浴剤を受け取った経験のある人もいるのではないでしょうか。
大量にタクシー内に保管できるサイズのものであれば、サンプリング可能です。駅前などで配るティッシュなどに比べても受け取り率が高いことが特徴です。
男性に配るか女性に配るかを指定できるタクシー会社もあり、ターゲットもある程度絞ることは可能です。
ヘッドレストポスター
運転席、助手席の頭を載せる部分に掲載するタイプのタクシー広告です。
ヘッドレスト部分に収まるサイズ(縦:約130mm、横:約200mm)で、掲載するという制限もありますが、目に留まりやすい位置で、ステッカータイプ同様に比較的低コストで導入しやすいという特徴があります。
シートベルトカバー
シートベルト広告は、シートベルトのストラップ部分に掲示されます。一般的にブランドのロゴやキャッチフレーズなどシンプルなデザインとなります。
シートベルト広告は、短いメッセージやアイコンに適しており、一目で理解できるように設計されています。
タクシー乗車時に必ず着用し、目に触れるもののため一定の効果を期待できますが、タクシーの運転手や乗客にとって、シートベルトの機能性や見やすさを損なわないようなデザインや配置が求められます。
タクシー広告のメリット
タクシー広告の中にも、さまざまなタイプの広告があることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは、タクシー広告を活用するメリットとデメリットを解説します。
タクシー広告を打ちだそうとされている方は、ぜひメリットとデメリットを理解したうえで検討してください。まずは、メリットを紹介します。
富裕層やビジネス世代にアプローチできる
タクシー広告では富裕層や現役のビジネス世代に効果的にアプローチが可能です。
タクシーを利用する人や利用するシーンを考えてみてください。次のような人やシーンを思い浮かべたのではないでしょうか。
・富裕層が移動手段として使う
・仕事で移動するとき
・夜間など公共交通機関がない場合
・旅行やレジャー施設に行ったとき
夜間や旅行先での利用は短発の場合が多いですが、定期利用に関して言えば、タクシーは主にビジネス世代や富裕層に利用される傾向があります。
テレビやYouTubeを見る機会があまりないといった忙しいビジネス世代に向けても、タクシー広告で商品やサービスの宣伝が可能です。
デジタルサイネージ広告のメリット
ここからは、特に最近需要が高まっているデジタルサイネージ広告のメリットを紹介します。主には以下の2つです。
繰り返し流れることで広告を見てもらいやすい
1つ目のメリットは、繰り返し流れることで広告を見てもらいやすいという点です。
タクシーに乗って流れている広告動画を、何となく見ていたといった経験をしたことはないでしょうか。タクシー内は、比較的リラックスした空間です。そこに何度もデジタルサイネージの動画広告が流れることで、ついつい見てしまうという状況を作り出しやすくなります。
YouTube広告のように、動画をスキップされることもない点も魅力です。
顔認証でターゲットを絞れる
2つ目のメリットは、タクシー広告は、顔認証でターゲットを絞ることもできる点です。
一部のタクシー広告サービスでは、内蔵されたカメラと顔認識技術を活用して、乗客の属性や特徴を分析することが可能です。これにより、乗車する人々の性別、年齢などを推定し、よりターゲットに合った広告を配信することができます。
たとえば、特定の商品やサービスに関心を持つ顧客に対して、より関連性の高い広告を提示することが可能です。顔認証を活用することで、タクシー広告の精度と効果を向上させることができます。
タクシー広告のデメリット
続いてデメリットを紹介します。デメリットは大きく分けて、多くの人にアプローチをしづらいことと効果が見えづらいことの2点です。
この2点について分かりやすく解説します。
多くの人にはアプローチしづらい
デメリットの1つは、「多くの人にはアプローチしづらい」ことです。
メリットとして、富裕層やビジネス層にアプローチ可能と解説しましたが、逆に言えば、タクシーを利用しない人にはアプローチできないということです。
ボディステッカーやラッピングなどのタクシー広告でも、都市部や駅周辺、人気の施設など特定の場所でのみ宣伝可能で、その範囲内にいる人々にしか広告を見せることができません。
そのため、タクシー広告は、ターゲット層をしっかりと考えたうえで打ち出す必要があることを把握しておきましょう。
効果測定が困難
デメリットの2つ目は、効果測定が困難であることです。
webのクリック数やテレビCM・動画の視聴数(率)などが測定できる広告と異なり、タクシー広告は移動中に目にすることが多いため、その場で直接的な反応やクリック数などを計測することが難しいです。
また、広告を見た後に顧客の行動変化や購買意欲の増加などを正確に把握することも困難です。このため、広告主は広告の効果測定に対して慎重なアプローチが求められ、他の指標や総合的なマーケティング戦略との相互作用を考慮する必要があります。
タクシー広告を制作する際に押さえるべきポイント
タクシー広告を制作する際に押さえるべきポイントを解説します。
実際に制作する場合は、次の2点をしっかり押さえて制作に取り組みましょう。
媒体や配信環境の特性を理解したうえで制作する
広告それぞれの特性を理解したうえで、制作することはとても重要です。
例えばステッカータイプの場合、費用は抑えられるが掲載できる面積が決まっているという特性があります。そのため、企業名やサービス名、キャッチコピーなど一番アピールしたいポイントが、乗客の目に留まるようデザインを工夫することが重要です。小さい文字で多くの情報を載せていても、見てもらえない可能性があります。
次にデジタルサイネージ広告の特性を見てみましょう。
・スマホより大きい
・家庭用テレビより小さい
・スキップされない
などが考えられます。スマホよりはデバイスが大きく見づらさが軽減されますが、テレビほどは大きくないため、どの程度の情報をどのように詰め込むのか精査する必要があります。
また、スキップされない点はメリットですが、その分内容次第では飽きられてしまうこともあるでしょう。何気なく目に入る広告だからこそ、有益な情報提供をしたり楽しんでもらえるようなストーリーを考えたりすることが重要です。
ターゲットや配信エリアを決めたうえで制作する
タクシー広告を制作する際には、まずターゲット層や配信エリアを明確に決めることが重要です。
富裕層やビジネス層向けの宣伝、顔認証を利用して年代、性別を絞った宣伝も可能です。動画制作前にターゲット層を絞って目的を明確にしましょう。
同様に、都市部、地方の駅周辺など、どのエリアで配信をするのかも事前に明確にしておくことも必要です。
タクシー広告出稿までの流れ
最後に、タクシー広告を制作する際の大まかな流れを紹介します。
・タクシー広告の目的を明確にする
・ターゲット層やエリア等を決める
・広告代理店と相談する
・タクシー広告を制作する
まず、戦略の立案と目的の明確化を行います。ターゲット層やエリアを決定し、広告の目標や予算を設定します。
先ほど解説したとおり、広告制作前にターゲット層やエリアを決定します。
そして、広告代理店と相談し、しっかりと戦略を立てて期間や広告の長さ等を検討し、どの媒体で出稿するかを決めます。そして、広告を制作し、広告データを入稿します。
まとめ
今回は、タクシー広告の種類やメリット、デメリットを解説しました。タクシー広告の主流は、デジタルサイネージによる動画配信となっています。
しかしステッカーにより、インパクトのある広告を安く、簡単に出稿することも可能です。
富裕層やビジネス層がタクシーを頻繁に利用することや、タクシー広告の動画は「スキップできない」といった特徴を活かした戦略を練ったうえで広告の制作を行いましょう。