テレビCMには2種類あります。それは「タイム」と「スポット」です。放送地区やCMの秒数、契約期間などの違いや、テレビCM出稿時の目的に合わせて「タイム」と「スポット」どちらを選択するべきか解説します。
2種類のテレビCM
テレビCMには、大きく分けて『タイム』と『スポット』の2種類があります。テストとして短期でテレビCMを出稿する場合は、自由にプランを組みやすいスポットがオススメです。タイムは長期的にじっくり取り組むことに向いています。
スポット
『視聴率を買い付ける』ことを指します。短期的にCMをいろいろな番組や時間帯に流す契約で、特定の番組に提供するわけではありません。基本は、『ステーションブレイク』 (SB/ステブレ)と呼ばれる番組と番組の間のCMチャンスに放送されます。
タイム
『特定の番組内で流れるCM枠』 のことを言います。「タイム枠」や「提供枠」と呼ばれ、提供したい番組を選び、一定期間提供する契約です。番組枠と一体でセールスされ、同一番組内のCMチャンスのことを『パーティシペーション』(PT/ピーティー)と呼びます。なお、PTでスポットCMが流れることもあります。
スポットCMの特徴
スポットCMの目的は、短期間で認知を獲得するのに有効です。放送地区は地区毎に購入(32マーケット)し、CMの秒数は15秒が中心(30秒以上も購入可)となります。契約期間は基本1週間以上ですが任意に設定できます。提供表示はなく、パッケージ購入のため放送枠の指定はできません。主な時間帯は全時間帯で、購入指標はパーセントコストとなります。競合排除はできません。
スポットCM、7つのメリット
- 予算に応じて地区・放送局・期間・投下量(出稿額)・時間帯を自由に選べます。
- 一定期間に集中して放送することができ、認知が速やかに上昇します。
- 到達率が高いため、視聴者の広がりを得やすいです。
- 番組自体や、前後の番組が引き付けている視聴者を取り込むことができます。
- 即効的購買行動の喚起につながります。
- メーカー等のクライアントが流通の棚確保する際の営業支援につながります。
- キャンペーン期間中の売上、問合わせ、のアクセス数など効果測定を行いやすくなります。
スポット料金の変動条件
同じ放送局でも、発注する際の下記の5つの要素によってコストは変動します。
見積から発注に向けて、各要素を放送局と交渉をして、詳細を決定していきます。
①パッケージ
タイムテーブルにおける放映ゾーン
②時間帯・放送局
選局とゾーン内における更なる詳細な時間帯
③CMの秒数
30秒CMの挿入比率
④キャンペーン期間
7日未満の場合
⑤シーズナリティ
繁忙期/閑散期
スポットCMの購入単位と料金決定の基本ルール
スポットCMの需要は、一般的に春・秋・ボーナスシーズンを中心に高まります。CMは在庫(総CM秒数)が決まっているため、需要期は高く、閑散期は安くなります。
【需要期】9月~12月中旬・2月末~5月GW前
【閑散期】1月・8月
※ただし、昨今では閑散期があまりないため、特に需要が高まる時期以外は、ほぼ同コストとなる傾向があります。
購入単位と料金決定の基本ルール:時間帯 タイムランクと取り方
放送局は曜日別・時間帯別の料金を設定しており、これを『タイムランク』と呼びます。基本はAタイム枠(19~22時)とアザータイム(Aタイム以外)の セットセールスとなり、主に以下の取り方があります。
逆L
学生・社会人の帰宅と、 休日をメインにした取り方。 料金は比較的高い。
コの字
『逆L』に 出社・ 登校前の時間帯を加えた取り方。
ヨの字
『コの字』に昼休みの視聴時間帯を加えた取り方。
全日
全てのターゲットに訴求できる取り方。料金は比較的安い。
上記は代表例です。広告主の条件、訴求ターゲットや枠状況を考慮しながら、「週末厚め逆L」、「朝厚めコの字」を設定したり、柔軟に対応できますが、それに伴い料金も変動します。
タイムCM(番組提供)の特徴
タイムCMは、中長期にわたってブランドを浸透させるのに有効です。放送地区は全国をカバーするネットタイム、地区毎に買えるローカルタイムです。CMの秒数は30秒以上でm15秒では買うことができません。契約期間は基本6ケ月(2クール)で、提供表示があります。番組単位で買うため 放送枠は指定できますが、期間は固定されます。主な時間帯はネットタイム (プライムと朝が多い)とローカルタイム (日中と深夜が多い)です。購入指標は月額もしくは一本単価となります。競合排除は一部番組を除き行えます。
タイムCM、9つのメリット
- CMを全国(または特定地域)に一斉放送することができます。
- クライアントの希望の番組を購入できます。
- 番組が人気になることで訴求対象に効率よく情報を届け、購買者層の拡大が狙うことができます。
- 社内PR効果が期待できる可能性があります。
- 番組とコラボレーションできる可能性があります。
- 30秒以上のCMの利用ができます。
- 原則、競合会社のCMを排除できます。(番組によって対応は異なります)
- 番組の前後に提供表示を出すことができます。
- Aタイムの「のみ取り」ができます。(スポットだとAタイムだけ買うことはできません)
ネットタイムとローカルタイム
タイムには放送地域により、ネットタイムとローカルタイムの2種類のCMが存在しています。
ネットタイム
全国放送の番組で流れるCMです。全国放送番組は主にはドラマや19時以降に流れる情報番組やバラエティー番組になり、東京、大阪、名古屋で制作されることがほとんどで、その他の地域では基本制作はされません。そのためネットタイムCMは東京、大阪、名古屋のテレビ局で販売されています。
ローカルタイム
地域限定の番組で流れるCMです。地域限定地域限定番組は地域情報を紹介する番組で、東京であれば、土日や平日の午前帯等に放送される番組になります。
また、ローカル番組(地域限定番組)は全てのテレビ局で制作されており、全ての局がローカルタイムCMの販売を行なっています。ローカル番組は地域に根ざした番組を制作するため地域貢献という意味合いもあります。現状ローカルタイムCMは地場のスポンサー向けに販売をされていますが、全国規模のスポンサーにも販売される可能性もあります。
提供表示
タイムはCM以外に『テロップ表示』『提供読み』の特典があります。
30秒 提供
提供表示のみ 「ご覧のスポンサーの提供で お送りします~」
60秒 提供
提供表示+社名読み 「●●飲料、●●製薬、●●不動産の提供でお送りします~」
90秒 提供
提供表示+キャッチフレーズ 「●●がうまい! ●●食品の提供でお送りします~」
『提供チェンジ(=提チェン)』という、番組の前半、後半で提供スポンサーを分けることで同ゾーンでの競合をなくす事もできます。なお、タイム枠の購入は独特な商習慣が存在し、「購入意思決定社=提供社」とならない場合があるのを覚えておきましょう。
まとめ
テレビCMには「タイム」と「スポット」があります。両方の特徴を理解して、効果的にテレビCMを活用しましょう。
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