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    「売れる広告表現」とは?メディアの特性に合わせた広告クリエイティブの解説

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    「売れる広告表現」とは?メディアの特性に合わせた広告クリエイティブの解説

    広告会社で営業をしている先輩に聞いたことがあります。ある食品関係の広告主にテレビCMの媒体料の見積を出したところ、そこの宣伝部長さんが「うちの倉庫を見てくれないか?」と言うので何だろうと思いながらもついていくと、その倉庫いっぱいに今回のCMで宣伝する商品が出荷を待っていました。宣伝部長いわく、「ここだけで、ざっと10万食あります。でも、これ全部売っても先ほどいただいたお見積の金額はお支払いできない。あの金額が我々にとってどう見えるか、少しでもわかっていただけましたか?」と。

    たしかに、広告は高い。もちろん、それに見合う効果があるからそれでも広告には価値があるわけですが、高いお金をかける以上、その金額を少しでも上回る効果を期待するのは当然でしょう。広告効果だけで言えば、メディア条件が同じなら、売り上げを左右するのはクリエイティブの内容、ということになります。印象に残る、「売れる広告表現」とは、どんなものでしょう?その答えは、必ずしも感覚的なものだけではなく、ある程度、理論的、必然的な側面もあるようです。

    ここでは、数多ある広告メディアの特性に照らし合わせて、それを考えていきましょう。


    動画と静止画

    広告が流れるメディアは、その形態で見ると大きく「動画メディア」と「静止画メディア」に分けられます。(1ページにつき)1枚のビジュアルだけで情報を伝達する静止画メディアに対して、動画メディアは連続するビジュアルと音声によって「時間の流れ」「動き」を表現できるメディアです。テレビがその代表格ですが、最近はインターネット経由での動画視聴が増えています。他にも列車やバス、タクシーの車内ビジョン、街中や駅、店内でのビジョンも多く見かけますね。

    これに対して「静止画」の代表格は新聞・雑誌・ポスターなどの紙メディア、プリントメディアですが、こちらもネットやモバイル経由でのものや電子看板が増えています。この他、ラジオなどの「音声メディア」もありますが、特徴は動画に包括できる部分が多いので、動画と同じカテゴリーに含めて考えます。

    動画と静止画の一番大きな違いは、「固定化されるもの」です。ややこしい言い方をしましたが、動画は発信者が予め固定された「時間」内で情報を伝え、静止画は予め固定された「スペース」で伝える、ということです。広告について言えば、テレビCMは15秒、30秒と秒数が「固定化」されているのに対し、新聞は全ページとか半5段、というように使えるスペースが「固定化」されています。そのため、その広告内に織り込める情報量は、固定された「時間」か「スペース」の範囲内、ということになります。静止画に接する時間は読み手の自由なので、読めるギリギリまで字を小さくしてもじっくり時間をかけて読んでもらえればかなりの量の情報を理解してもらえます。それに対してCMの場合、人間が15秒や30秒で認識できる情報量は限界があるので、静止画メディアよりも量を絞る必要があります。

    もちろん、どちらのメディアも広告の場合、受け手の方に興味が湧かなければ情報は伝わりませんから、ターゲットの興味をそそるクリエイティブを工夫する必要はあるでしょう。「売れる」ためには、敢えて情報を絞りこむことも大切です。


    「機能的ベネフィット」と「情緒的ベネフィット」

    ある商品・サービスの価値は、「機能的ベネフィット(functional benefit)」と「情緒的ベネフィット(emotional benefit)」に整理されます。

    例えばスナック菓子なら、「北海道産の厳選されたじゃがいもだけを使用」とか「新開発のフライヤー調理器導入」といった左脳に訴えるメリットが前者、「じゃがいも本来の自然な味わい」「カリっとした食感」のように右脳に感じてもらうメリットが後者、ということになります。機能と情緒、どちらで商品の良さを感じてもらうのが有効かはその商品によって違いますし、同じ商品でも伝えるメディアによって得手不得手があります。

    動画広告やオーディオ広告は、情緒的価値を伝えるのが得意とされています。上記のスナック菓子の例で言えば、カリッとした歯ごたえを表現するのに、その製法について言葉で説明するより、単純にカリッと大きな音を立てておいしそうに食べるシーンを見せた方が、より消費者に訴えかける力が強かったりします。また動画は短い秒数の中でも商品をいろいろな角度から見せることができるので、車やファッションなど立体的なデザインのよさを伝えるのに強みを発揮します。

    これに対して印刷メディアなどの静止画は機能的価値を訴求するのに向いているとされます。ドラマやスポーツ中継を見て気持ちが高ぶっている視聴者が多いテレビと比べ、新聞・雑誌などのメディアは記事を主体とした左脳的コンテンツが多いメディアなので、読者は理性的な情報を受容しやすい状態だと言えます。また不動産・車などの高額商品は、いくら動画広告で「かっこいい」「おしゃれだ」と思ってもそれだけで購入を決めることは少なく、ウェブや印刷物で具体的なスペックを確かめたいと思う人が多いようです。

    このように、広告をメディアによって大きく「動画」と「静止画」で分けた場合、動画は「情緒的価値」を伝えるのに適している半面、送れる情報量はかなり限定的、というのが特徴であるのに対し、静止画は「機能的価値」を伝えるのに適していて伝達できる情報量は多い、と言えます。

    Tips 動画は右脳、静止画は左脳に訴えることで「売れる広告」となり得る!

    プッシュ型とプル型

    インターネットというメディアがこれまでの広告メディアと比べて画期的なのは、ほとんどの既存メディアは広告主が発信者で消費者が受信者、という単方向メディアであるのに対し、逆に受け手側、消費者側からもアクションが起こせる双方向メディアだと言うことは言うまでもありません。

    とはいえ、広告はまず広告主から何らかの情報発信をしなければ成立しませんから、口火を切るのは基本的には広告主側、ということになります。この時、送り手側からの発信内容が直接購買を促すようなアプローチで、情報的にも消費者が購入行動を起こすのに必要十分なものを初めから提供するコミュニケーションを「プッシュ型」と呼び、対して購買が見込めるターゲットに興味を抱かせ、受け手側から送り手側へのアプローチを誘引するコミュニケーションを「プル型」と呼びます。

    インターネット以外のメディアはその特性として基本的に「プッシュ型」ですが、インターネットや通信とのコンビネーションで「プル型」の表現スタイルを採ることもできます。「続きはウェブで」とか「〇〇〇で検索!」と言った言葉が入るテレビCMは「プル型」パターンと言えますね。

    ただ、「プッシュ型」と「プル型」という広告表現の分類は、実はインターネット登場前の広告でもあったのです。必ずしも「受け手側からの(ネットを通じた)能動的リアクション」という具体的定量的な誘引ではなく、要は受け手の興味を「プルする」広告表現をプル型と考える、ということです。広告は元来、消費者が進んで見ようと思うコンテンツではありません。情報の押しつけだけでは、消費者は能動的に「買う」という行動を起こしません。そのためどうすれば消費者が目を留めてくれるかを広告クリエイターは昔から考えあぐねてきたわけです。「北風と太陽」の話に近いですね。うなぎ屋さんが香ばしい香りを外に流して客を呼び寄せたりするのもプル型広告のアイディアの一つと考えれば、プル型広告表現の歴史はかなり長いと言えます。

    Tips 「プル型」広告表現はネットの独壇場、ではなく、実は昔からクリエイティブの基本!

    メディア別・クリエイティブの得意技

    もう少し詳しく、それぞれのメディアの特性に合わせた「売れる」広告表現を見てみます。

    新聞広告

    新聞は静止画メディアですから、前述の通り左脳への知的・理性的アプローチに向いています。古くから社会との関与が深く、新聞の記事が世論を左右することもある、社会への責任も大きいメディアです。かつては戦意高揚のプロパガンダに利用されたこともあれば、逆に反戦平和のオピニオンリーダーとなることもありました。様々な変遷を経て今や新聞は最も信頼度の高いメディアの一つと言えます。
    多くのビジネスパーソンから支持されていることも特徴です。新聞に掲載する広告のクリエイティブは、そんな読者のプロフィールを意識して、知的興味をそそる表現を模索することでしょう。新聞の信頼度に見合った誠実なアプローチも好感を持たれます。メッセージ性の強いアプローチ、例えば会社の理念をうたった企業広告や、環境対応の商品、ニュース性の高い広告は時として記事以上に読者の目を奪います。

    雑誌広告

    マスメディアの中では最も多様化・細分化されたメディアと言えます。年齢や性別だけでなく、趣味、ファッション、職業、思想、得たい情報、地域など様々なファクターによって分類された数えきれないほどの出版物があります。そのため、ある特定のライフスタイルにアプローチするのに有効なメディアです。例えば、釣りの雑誌に釣り具の広告、というのは定番ですが、オフロード車やアウトドアファッションの広告も高い効果が期待できそうです。

    テレビ広告(テレビCM)

    若者のテレビ離れが取り沙汰される今でも、その広告効果という側面で言えば王座に君臨していると言っても過言ではないでしょう。20世紀半ばに日本で民放が開局して以来、記憶に残る数々のテレビCMが放映され、様々なクリエイティブ手法が試されてきました。情緒に訴える力が強いテレビCMは、短い秒数で番組以上の感動やインパクトを人々に与えることもあります。老若男女が接するオールマイティなメディアだけに、広く世間全体に短期間で伝達するのに最適なマスメディアですが、とりわけ動画で情緒的魅力を伝えやすい飲料や食品、住宅や車のデザインの魅力を訴求したい時、難しい機能の「さわり」をドラマ仕立てで直感的に伝えたい時などには効果的と言えます。新聞同様、信頼度が高いことも特徴です。

    ラジオ広告

    聴覚のみに訴える数少ないメディアです。音声メディアの特性は動画メディアと類似する部分が多く、情緒的な表現に長けています。ラジオCMの秒数は基本20秒ですが、60秒、120秒、さらにそれ以上の長尺CMも比較的安価にオンエアできるのが嬉しい特徴です。音でしか表現できないことを逆手にとって、テレビではできないような、リスナーの想像力を膨らませる派手な描写もかなり自由にトライできます。また、カーラジオなどによる「ながら聴取」が多いこと、リスナーとパーソナリティとの垣根が低いことなどもこのメディアの特徴。これらのユニークな特性を活かし、未来に夢を抱けるようなもの、業種で言えば旅行、金融、アクセサリー、教育などの業種のクリエイティブでは、できることがいろいろありそうです。

    インターネット

    双方向で動画も静止画も可能、しかも誰でも気軽に発信者になれるインターネットは表現という観点ではオールマイティです。広告の種類も様々。ここではネット広告の細かい説明は省略しますが、実にありとあらゆる方法が今も開発されています。表現の幅も想定ターゲットも様々なことがトライできる、楽しみなメディアです。
    ただその裏腹に、注意が必要なメディアでもあります。その第一は信頼度の低さ。誰でも気軽にアップロードできるからか、例えばYouTubeに上がっている動画は信頼性とクオリティは実に玉石混交で、トラブルや批判も絶えません。
    インターネット広告はメディアのバリエーションも表現の幅も広く、どんなクライアントやメッセージにも効率のよい広告プランが用意できますが、とりわけ相性がいいのは同じIT系企業(商品)、ゲームや映画などエンタテインメント系広告主、あるいはとても小さな規模の商品や企業などにもできることがあります。雑誌同様、ターゲットを絞り込んだ露出もできるので、クリエイティブの表現も相手を想定した語りかけが可能です。

    その他のメディア

    最近注目を集めているのは「OOH(アウト・オブ・ホームメディア)」の分野です。文字通り、「家の外」で接する広告メディア全体を差し、電車・バス・タクシーなどの交通広告から、看板、懸垂幕に至るまで種類も様々です。近年、デジタルサイネージの普及により表現の幅も大きく拡がりました。通勤通学の導線を狙ったり、繁華街の信号待ちの人たちにアピールしたりできます。特定店舗の案内やイベントの告知など、エリアを絞ったメッセージ発信に有効です。


    まとめ

    テレビを中心とした「キャンペーン型」が広告戦略の典型だった時代は、広告クリエイティブも力強いキャッチフレーズとビジュアルを全てのメディアに共通させることで「売れて」いました。その後、一方で、生活スタイルや消費動向が多様化し、他方で広告メディアも多様化した今、クリエイティブもターゲットによってきめ細かくアレンジしたものが試されています。

    どんな相手に、どんなメッセージを伝えたいのか?それに合わせて、最適なメディアとそれに伴うクリエイティブを発想していく事例が増えつつあります。ブランディングという視点からはあまりバラバラな表現戦略は感心しませんが、全体の統一感は持たせながらフレキシブルにアレンジできるクリエイティブは、これからもっと求められていくことでしょう。「売れる」広告立案のために、クリエイターの仕事は、どうやら今後もっと増えていきそうです。

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    ウリアゲガンバ編集部

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