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    改めて、キャッチコピーって何?何のため?

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    改めて、キャッチコピーって何?何のため?

    広告制作に関係ない人でも、「キャッチコピー」という言葉は耳にしたことがあるでしょう。でも、そもそも「キャッチコピー」って何でしょう?何のために必要なのでしょう?…そう聞かれるとちょっとはっきりしない方もいらっしゃるかも、と思い、ここで改めてその何たるかを書いてみます。


    「キャッチコピー」は、和製英語

    昭和の終わり、1980年代あたり、コピーライターという職業が脚光を浴びて、著名なコピーライターやその人の「作品」が話題になった時代がありました。その頃は、コピーライターの仕事イコール「キャッチコピーを書くこと」、「たった1行でン百万円」のようなことがささやかれたこともありましたが、本来キャッチコピーは「コピー」と呼ばれる広告文案の一部に過ぎません。にもかかわらず、この時代に「キャッチコピー」がこれだけ取り沙汰されたのですから、それが世の中にもインパクトがあったことは確かでしょう。

    ところで、「キャッチコピー」は和製英語だということを知っていますか?本来の英語では’catchphrase’あるいは’headline’などと言います。ただどちらも、この和製英語のように「広告限定」の言葉ではありません。日本語で言うところの「キャッチコピー」は、文字通り、広告表現の中で消費者の関心をキャッチするための短い文、ないしは「謳い文句」と解釈するのが正しいでしょうか。コピーの要素は他にも、伝えたいメッセージをある程度の長文で記述する「ボディコピー」や、ボディコピーへの導入や内容要約の役割を果たす「リードコピー」、企業や商品の枕につけてその理念や本質を短く形容する「タグライン」などがありますが、もともと広告表現は決まった形式にとらわれない、むしろ他と違ったことをしたがる類のものなので、上記の言葉の定義も甚だ曖昧、ともいえます。ブランドイメージを訴求するポスターや雑誌広告では、しばしばボディコピーのないものや、コピー自体が全くないものも見受けられます。

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    コピーの種類(広告はダミーです)

    どうすれば消費者の心理を「キャッチ」できるか

    およそ和製英語が生まれる理由は、言い表したいことをドンピシャで言いあてた言葉が日本語にも英語にも見当たらなかったか、あっても使いづらく、必要にかられて誰かがこしらえたと思われますが、この「キャッチコピー」という言葉も、広告制作の現場でなんらかの必要があったと推測されます。どんな必要が生じたのでしょうか? 筆者はこう想像します。市場が安定して新たなカテゴリーを切り開くような商品が生まれにくくなると、既存の類似商品どうしの競争が激しくなり、各広告主ともいかに他社製品と差別化するか、強く考えるようになります。例えば「モンブラン」というケーキが市場に全くない状態であれば、「日本人が食べたことのない味、モンブランです!」と言うだけで十分魅力的、キャッチーですが、そこら中のケーキ屋でモンブランが売られるようになれば、何か他とは違う魅力~例えば「甘さおさえめ」とか「原料産地限定」とか~をアピールする必要が生じます。さらに市場が成熟すると、「あんまり甘くないモンブラン」と謳ったとしても消費者に訴えかける魅力は足りなくなってくるでしょう。

    そこで登場するのが「キャッチコピー」です。広告主が意図する差別化ポイントを、いかに消費者の心理をくすぐる表現で伝えられるかコピーライターが勘案します。「ほんのり甘い」という機能的な特徴を消費者目線で見つめ直し、感覚に訴える言葉に置き換えて消費者のシンパシーを獲得しようと頭をひねります。ほんのりの甘さを「森の幸せ」と置き換えてみたらどうだろう、とか、「あなたが探していた味」というところまで飛躍したらどうか、とか。前述の著名なコピーライターのキャッチコピーは、その「置き換え」「飛躍」がうまくいった例、と言えます。

    Tips 消費者目線で魅力的な謳い文句、それが「キャッチコピー」といえる。

    「広告」と「アドバタイジング」は、全然違う!?

    「いかに消費者の気持ちをキャッチするか」…それがキャッチコピーの役割、ということになります。ただその役割は、考えてみると必ずしもキャッチコピーだけが担うものでもありませんね。消費者の気持ちをつかむのは広告全体の使命とも言えるので。そこで少し視点を拡げ、「広告で消費者の気持ちをキャッチするには」を考えてみます。

    「広告」の英訳は「アドバタイジング(advertising)」ですが、筆者は常々、この2つの言葉は実は180度性格の違う言葉だと申し上げています。

    「広告」は、分解すると「広」く「告」げる、となります。多くの人に同時にセールスメッセージを伝える、というニュアンスです。これに対しadvertisingという語を構成している「advert」という単語の意味は「注意を引きつける」という意味です。どうですか?言いたいことを言う、という「広告」に対し、注意を引きつける「アドバタイジング」。同じ意味の言葉なのに、動作の主体が「発信者」vs「受信者」と、真逆になっているなんて、面白いですね。似たようなことが空港のアナウンスの冒頭の言葉にもあります。日本語では「ご案内します」、英語では「アテンション・プリーズ(ご注目ください、よくお聞きください)」。こちらも「ご案内」するのは空港、「ご注目」するのはお客。はい、逆ですね。

    そんなの大した違いじゃない、と思う方もいらっしゃるでしょう。確かに空港のアナウンスは、その後のインフォメーションの内容に日本語と英語で違いが出るとは思いません。でも広告の場合は微妙な違いが出るのではないか、と思っています。広告主がその商品について、伝えたいことを伝える、というのと、消費者がその商品について、聞きたいことを聞いてもらう、というのでは、微妙どころか全く違うアプローチが発想されるかもしれません。実際、広告主とコピーライターの間でコピーの内容について打ち合わせている現場では、「こちらのスペックについても説明してくれないか」「一つのメリットに重点を置きすぎでは?」といった具合に、ややもすると商品のスペックを(なるべく)もれなく、正確に説明しようとしがち。広告ですから最低限伝えなければならない内容はあるとしても、消費者に注目されなければもはや広告ですらない、と言えます。「伝える」重視か、「引きつける」重視か。伝えたい内容を網羅することと、消費者が聞きたくなる表現に注力するのと、どちらに力点を置くか。決して正解があるわけではありませんが、前者の「伝える」要素が勝っている広告においては、むしろキャッチコピーの「引きつける」役割が重要度を増す、といえるかもしれません。「伝えたい」が満載のボディコピーを読みたくさせるために、一旦消費者の目を止めさせるという特命を、あの短い文が担っているとしたら、「1行ン百万円」もあながち高いとはいえないかもしれませんね。

    Tips 「伝えたい」内容を網羅しても、スルーされたら広告にならない。

    効果的な「キャッチコピー」のスタイルあれこれ

    多くのメディアが広告収入によって生計を立てているにもかかわらず、消費者にとって広告は「邪魔者」です。少なくとも見たくて見るものではない。それを表現の力で見たくさせるのは至難の業でしょう。いかに消費者の目を止めるか。テレビのCMタイムにトイレに立たせないようにできるか。雑誌で飛ばし読みされないか。スマホでスクロールする指をとめられるか。世界中のクリエイターによって無限ともいえる方法が試されていますが、そのいくつかを見つけてみました。(コピー例は全て架空のものです)

    1. 主題
    かなり多くのキャッチコピーがこの型に入る、代表的なスタイルです。その広告で言いたいことのテーマ、標題的な内容です。企業広告の場合、企業スローガンがそのままキャッチコピーとして使われる場合もあります。
    「この非常識が、常識になる」
    「未来は、変えられる」
    「家事のしごと、奪ってごめんなさい」


    2. チラ見せ
    エポックメイキングな特徴がある商品なのに、それを敢えてはっきり出さずに「なんのことだろう?」と興味を引く手法です。
    「一流シェフをうならせた食材がある」
    「世紀の発明は、一つの勘違いから始まった」
    「もう一度訪ねたくなる、これだけの理由」


    3. 逆説
    メインビジュアルと正反対のことを言っているように見せたり、「もし〇〇がなかったら」といういわゆる「仮定法」の文体で本質の反対側を描き、本質を際立たせる手法。
    「枯れた荒野が生んだ、至高な味わい」(トマトは枯れた土地でおいしく育つ、というオチ)
    「危険!一人では来ないでください」(ジェットコースターやホラーハウスなど)
    「人類が滅亡したら、誰のために時は刻まれるのだろう」(ソーラーウォッチなど)


    4. 尊大
    「誇大広告」は法的にも取り締まりの対象ですが、あまりにもでかすぎて100%非現実的なアプローチで、実は内容的には小さなメリットの訴求だったりする、という針小棒大作戦です。
    「宇宙が、この味を選んだ」 (単に宇宙食に採用された食材を使っている、とか)
    「歴史を、操れ」(シミュレーションゲームなど)
    「人生の汚れを、落とせ」(男性用シャンプーなど)


    5. 啓蒙
    一般に消費者があまり知らないであろう有益な情報を共有しようというもの。消費者の知的好奇心をくすぐります。「知っていますか?……」の形式をとるものが多く見られます。商品とは直接関係ない情報を敢えて見せて関心を引く場合もあります。
    「あなたのお肌も、呼吸する」
    「卵の殻には、秘密の穴が開いている」
    「月の光でできる、虹がある」


    6. 使用前・使用後
    キャッチコピーでネガティブなことを提示した上で、ボディコピーでそれを商品によって解決する方法。害虫駆除商品、医薬品、化粧品、洗剤などでは定番の方法です。
    「シロアリで、停電。」
    「頭痛。今日もガマン、ですか?」
    「今どき、通院は、高くつく」


    …まだまだ色々なパターンがありますが、キャッチコピーの大きな役割として「消費者の目を止める」具体的な方法の一部のご紹介でした。


    まとめ

    キャッチコピーがどんな役割を担っているのか、ご説明しました。繰り返しますが、消費者の興味を「引きつける」役割は、キャッチコピーだけが担うのではなく、むしろ広告表現全体の使命といえます。キャッチコピーが秀逸でも、そのほかの要素が緩慢では消費者も途中で離れてしまう。広告を出す側としては、色々なことを一度の広告で伝える方が効率的、と考えがちですが、見てもらえなければ意味がありません。伝えたいことを消費者目線で絞り込み、消費者の目を止める工夫が広告には必要です。キャッチコピーの役割は大きいですが、広告全体の中でその役割を位置づけて表現の戦略を構築することが大切なのです。

    …さて、この記事。キャッチィでしたか?

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