天候により急遽中止になる可能性のあるスポーツ番組はどのように編成され、提供した広告主のCM枠は中止になった場合どうなるのでしょうか。また世の中を揺るがす突発的事件が発生すると、局は既存の番組をすべて休止し緊急特番などを放送することもあります。以下にいくつかの場合を想定しながら、それぞれの提供がどのように調整されるかを見ていきたいと思います。
雨天中止の場合
あらかじめの編成
雨天中止の対応について一番わかりやすい例は、プロ野球中継などのスポーツ番組枠でしょう。雨天に限らずですが不測の事態による中止に備えて、局はBプロ(Bプログラム。または荒天プロ、レインコートプログラムとも呼ぶ)という編成を事前に準備しています。
事前に中止が決まった場合
通常ナイター中継などは毎週放映されるレギュラー番組の枠に、変則的に組み込まれていることが多く、ナイター提供社とレギュラー番組提供社が異なる場合があります。(レギュラー番組提供社がそのままナイターに振替提供する場合もあります。)事前に中止が決まった時はレギュラー番組が放映され、レギュラー番組提供社のCMが流されます。いっぽうナイター提供社のCMは、休止となります。
レギュラー番組枠にもともと組み込まれていないスポーツ枠の中止が決まった場合は、上記のBプロが流されスポーツ枠提供社のCMが流されます。
試合途中で中止になる場合
Bプロが放映されます。ボクシングの早いラウンドでのKO決着のように試合が早めに終わってしまった時もこの対応です。その試合が始まってからの中止ですので、スポーツ番組提供社のCMが流されます。
Tips 事前にBプロが編成されている。状況に応じてレギュラー番組枠と調整
緊急特番の場合
緊急特番の必要性
テレビ局は報道の公共性という立場から社会的に重大な事件が発生すると、予定していた番組をすべて中止し、緊急特番(緊急特別番組)を放送することがあります。突発的な天災や事故、事件を受けての対応になるので提供社や広告会社に事前に連絡はありません。
サスとは
緊急特番の場合、CMは一切流さないという対応をする場合があります。これをサス(サステイニング・プログラム)と呼び、局が完全に自主制作する番組となります。(これより少し緩やかな対応としては、提供クレジットを外してCMのみを流すこともあります。)
サスは事の緊急性や重大性からの措置ですが、提供する広告主の立場からも、多くのケースでそのタイミングでCMを流すことが企業のイメージ棄損につながると判断されます。
Tips いっさいCMを流さないサス対応の緊急特番は、事前連絡なし
請求される媒体費
レギュラー番組の休止
雨天などでスポーツ中継が事前に中止になった場合、その中継番組の提供社への費用は発生しません。ではその枠にもともとレギュラーで入っていた番組が、中継実施により休止になると、そちらの提供社への請求はどうなるのでしょう。
週1回放映のレギュラー番組は通常1クール(3か月)契約となっており、その間に13週(回)提供があることを前提にしています。
例えば月額契約で月3000万円の金額となっている場合、3000万円(月額)×3か月(1クール)=9000万円(1クールの契約金額)とし、それを13回で割った数字が休止1回分の金額になります。約6,923,077円です。つまりナイターなどでレギュラー番組が1回休止になると、提供している広告主はこの金額を減額された形で請求されることになります。週1回のレギュラーではなく、月~金ベルト(毎日)、月~金テレコ(1日おき)などの提供もあるので、前者であればそこからさらに5で割る、後者であれば2.5で割って休止1回分の費用を出します。
月額契約の他に単価契約(番組1回ごとの金額による契約)などの場合もあるので、その場合は単価が休止1回分の金額となります。
Tips 休止1回分の金額計算式は事前に確認しておく
特番による休止
緊急特番による放送休止の補償についてはケースバイケースになりますが、通常は上記同様に減額される、または他の枠に振り替えられるなどの措置が取られます。ただし天災や事故の規模にもより、広告主と各放送局との関係性から様々な対応がとられることがあります。
また年末年始・改編時期にあたる期末期初などには、編成されることが事前に予測される特番があります。レギュラー提供社はその特番に振替可能かどうかを検討します。
Tips 「緊急特番」ではない予測できる特番もあるので、振替を検討する
まとめ
雨天中止などある程度可能性を予測できるものに対して、各放送局はBプロを用意しながら編成対応をしています。また提供社枠の休止時の調整、補償についても明確なルール、計算式があるので、間に入る広告会社を通して事前に確認しておくことが重要です。「緊急」でない特番は、その時期にあることを見越して、振替を実施するか否か、自社の広告商品特性を考えあわせつつ発展的に判断しましょう
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