「テレビCMは高い」という意見を聞くことがあります。確かに、全国規模でそれなりの規模のテレビCMを出稿すれば、億単位の予算が必要になります。しかし、その点だけをもって「テレビCMは高い」と言えるのでしょうか?テレビCMの媒体特性を考慮しつつ、その費用についても検証することで、本当に「テレビCMは高い」と言えるのかどうか、いくつかの視点を紹介いたします。
テレビCM効果測定の基本指標
テレビCMの価格について考えるとしたら、単に金額が高いかどうかではなく、その特性や費用対効果を把握し客観的に判断したいところです。
テレビCMの効果を測定するための指標について確認します。
視聴率
テレビ番組やテレビCMがどれだけの人に届いたかを表す指標が「視聴率」です。また、テレビCMの取引の管理指標となっているのはGRP(Gross Rating Point)と呼ばれる延べ視聴率です。延べ視聴率は個々の番組やテレビCMの視聴率の積み上げなので、視聴率が取引の基礎になるといえます。
また、GRPはリーチ(どれだけの人に届いたか)×フリークエンシー(何回見られたか)で計算されますが、リーチは視聴率と同じ意味だといえます。
CPM
次に、メディアのコストを評価する際によく使用される指標としてCPM(Cost Per Mill)と呼ばれる指標があります。CPMは1,000人あたりに広告を届けるのに必要なコストのことを指します。CPMという指標を使うことで、全体の費用のみでなく、広告の「単価」を比較することで、それぞれのメディアのコスト効率を検証することができます。
テレビとオンラインメディアのCPM比較
テレビCMのCPMについては、テレビCMのオンエア地域や、テレビCMの販売形態(テレビCMには、テレビ番組とスポットの二つの形態があります)、スポットの「絵柄」(全日、ヨの字、コの字、逆L等、スポット枠を買い付ける時間帯を1週間単位でタイムテーブルにレイアウトした時の図形のこと)によって単価が変わってきます。
CPMはどの媒体でも横並びで比較できます。もちろん、テレビとオンラインでは視聴態様が違いますし、同じテレビでも放送局や時間帯によってある程度のバラツキがあります。またオンラインも、動画広告の打ち出し方や料金体系は様々ですので、ここでは概略をお話ししますが、YouTubeやYahoo!Japanなどの代表的な動画広告のCRMと比較すると、テレビCMとほぼ同レベルです。サイトによってはオンラインの方が割高になることもあります。
このように、メディアを横並びで比較できる指標を使うと、必ずしも「テレビCMは高い」とは言えないことが分かります。総額のみを見て、単純に高いという結論を導くことのないようにしたいですね。
テレビにはテレビの、またオンラインにはオンラインの強みがあり、その広告の狙いを明確にしてメディアを選択することが重要です。では、テレビCMの強みはどんなところでしょうか。
Tips CPM比較では、ネットとテレビの費用はほぼ同じ
テレビCMの強み
テレビCM全体の強み
- 多くの人が一日の中で最も長時間接触するメディアである
- 豊富な番組編成であらゆるターゲットに対応可能
- 動画表現でシーンを演出することによる「共感型アプローチ」が可能
- 商品や企業のイメージ・メジャー感・信頼性を醸成する
テレビスポットの強み
- 短期的・集中的に出稿することができ、認知・リーチを急速に高めることが可能。
- キャンペーンの立ち上げ期などで、世の中全体にインパクトを与え、話題性や登場感を獲得することができる
- 競合商品に対してSOV(※Share Of Voice = 競合商品との広告露出量の割合・シェアのこと)を調整しやすい
- ターゲットの視聴率が高い局・時間帯のCM枠を買うことができる(コの字・逆Lなど)
- オンラインの商品(スマホゲームなど)において、実行動(ゲームダウンロード、検索、資料請求など)を誘発することに優れている
- 広告主の営業が流通のバイヤーと交渉する際、「配荷率の向上」「棚スペースの拡大」などの交渉材料になりうる
テレビタイムの強み
- 合社が排除された環境でのCM露出が可能
- 企業イメージなどをじっくりと醸成できる。(特に一社枠、ミニ枠などは効果が期待できる。)
- 特定の視聴者に対して、安定的にメッセージを反復して届けることが可能(レギュラー番組提供)
- 大型スポーツコンテンツ(オリンピック、ワールドカップなど)の番組を提供することにより、一気に企業認知を高めることができる
- 番組内でプロダクト・プレースメントを実施できる可能性がある
- 特定の番組を提供するため、クライアント社内・系列企業へのPR効果が期待できる
Tips スポットは短期集中向き、タイムは長期浸透向き
まとめ
テレビCMのコスト効率は単純に出稿金額の総額を見ているだけでは判断できないことが分かります。また、テレビCMに限らず、どのメディアも媒体特性を理解しそれを活かすことで、さらに費用対効果の高いキャンペーンを構築することもできます。総合的に判断してテレビCMの強みを力にすることができれば、マーケティング戦略を成功に導くことができるでしょう。
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