自社の編集責任の元に運営を行うウェブサイトをオウンドメディアといいます。コーポレートサイトや、商品のブランドサイトなどはこれにあたります。オウンドメディアは目的や運営にかける予算が千差万別で、月間数千PVの会社案内だけをするシンプルなものもあれば、エンタメコンテンツを満載した月間数百万PVを越えるものもあります。マーケティングの成果につながるアクセスを集めるオウンドメディアを作るために、理解しておかないといけないことは何でしょうか。
オウンドメディアのユーザーはどこから来るのか
オウンドメディアに訪れるユーザーは、主に以下の5パターンであると言われています。ユーザーがどこからか勝手に湧いてくることはありません。必ずアクセスする導線があり、その結果がPVに反映されます。
Direct(ダイレクト)
URLを直接入力する、もしくはウェブブラウザのブックマークからアクセスするユーザーです。基本的には関係者や既存顧客、具体的に購買を検討しているような見込み顧客からのアクセスが多いと思われます。
Search(サーチ)
グーグルなどの検索サービスでキーワードを入力し、表示された結果の中から目的に近そうなページにアクセスするユーザーです。ユーザーの頭の中にキーワードが浮かんでくることが前提のため、企業の知名度や商品の話題性が大きいか、何か調べたい情報が掲載されていると判断した時にアクセスします。
Social(ソーシャル)
ツイッターやフェイスブックなどのSNSでシェアされたコンテンツを偶然見かけて、アクセスするユーザーです。フォローをしている人がシェアをしており気になってクリックするなど、クチコミに影響されて、興味を持ちアクセスする可能性が高いです。
Referral(リファラル)
閲覧しているニュースサイトや、まとめサイトにリンクが記載されていて、アクセスするユーザーです。PRなどで企業や商品が取り上げられた際に、気になってアクセスしたことが想定されます。
Ad(アド)
バナーやテキスト広告を見かけて、アクセスするユーザーです。アドからの流入は広告出稿量と関連性があるため、基本的には広告費に連動します。
オウンドメディアのコンテンツは、解決型と提案型の2種類
例えばハンバーグを作るのに材料がわからない場合、とりあえずスマホで「ハンバーグ レシピ」と検索する人は多いのではないでしょうか。これは、何か課題があって、それを解決するために取った行動であると言えます。
一方で、なんとなく休日に昼過ぎにフェイスブックを見ていたら、料理好きの友人が肉汁をたっぷり閉じ込めたハンバーグを焼き上がる記事を「作ってみたらおいしかった!」とシェアをしていて、自分も今夜はハンバーグを作ろうと決める場合があります。これは、偶然見かけたレシピの提案を見て、自分も作ってみようと行動に移したものです。
前者は「解決型」のコンテンツになり、後者は「提案型」のコンテンツとなります。
検索流入でアクセス数を増やす解決型コンテンツ
課題に対して検索するキーワードは、グーグルのキーワードプランナーなどのツールを使えばある程度の数を予測できます。そのため、検索ニーズを把握した上で、コンテンツを作ることは可能です。
検索ニーズが高くて、検索結果に表示されるコンテンツ数が少ないものを探すことができれば、そのコンテンツはアクセスを集められる可能性が高くなります。
検索ニーズが高くて、検索結果に表示されるコンテンツも多い場合は、どのようにすれば自社のコンテンツが検索結果で上位に表示されるか作戦を練る必要があります。現時点では検索ニーズが低い場合、すぐにアクセス数を伸ばすことは難しいかもしれませんが、検索結果で上位に表示されていれば、何かしらの理由で検索ニーズが高まった際に、一気にアクセス数を集めることができます。検索結果で、自社のコンテンツが上位に表示される対策を行うことをSEO(Search Engine Optimization)といいます。
SEO対策をしたコンテンツの作り方は、コンテンツの文字数を増やす、キーワードをなるべくたくさん入れ込む、タイトルや見出しの付け方を十分に考える、hタグやDescription、alt属性をきちんと入れるなど、htmlの記述方法に関連するものです。検索すればたくさんの記事が出てきますし、書籍もいろいろと出版されているのでここでは割愛させていただきます。ぜひ探してみてください。
SNSでシェアされる、大胆さも必要な提案型コンテンツ
提案型のコンテンツを、企業がオウンドメディア内で作るのは大変です。世の中にはニュースで溢れ、エンタメやスポーツなど娯楽コンテンツも膨大に提供されています。その中で勝ち上がって閲覧されるためには、目を引く大胆なコンテンツを生み出す必要があります。
しかし、企業が発信する情報が、過激さを売りにしたユーチューバーと同じわけにはいきません。刺激による面白さではなく、企業がこれまでに培ってきたスゴ技や、非公開にしていた希少性のある情報の公開、意外性のある企業間でのコラボなど、切り口はいろいろと考えられる。また、コンテンツをシェアしていく手法として、すでに多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーとの連携も有効です。
提案型コンテンツとして全てをヒットさせ、アクセスを集めることは非常に難易度が高いですが、1つでもヒットした時のインパクトはとても大きなものになります。
オウンドメディアは相互リンクを丁寧に増やすことが重要
オウンドメディアに対して、さまざまなウェブサイトからリンクされることは、着実にアクセス数を増やせる上に、検索エンジン上の評価が高まる可能性もあります。自社に関連する情報が、ネットニュースとしてYahoo!トピックスに取り上げられると、アクセスが集中してサーバーがダウンするようなことも以前はよく耳にしました。協業先、仕入れ先、業界内の同業社などと連携し、相互リンクを着実に増やしていくと、やがてそれがアクセスを増やす貴重な導線となります。
なお、一時期SEO対策の一環として、関連性のないウェブサイトとの相互リンクを売買するようなことが横行したため、グーグルはそのようなことをしていると判断した場合に、検索エンジン上での評価を見直すようになりました。闇雲増やしても効果はないので、意味のある相互リンクを増やすことが重要です。
オウンドメディアのアド活用は、リスティング広告から
広告流入によりアクセス数の増加を図ることは簡単です。現在はクリック課金の広告メニューが多く、管理画面上で運用することによって、クリック単価も調整していくことができ、効率よくアクセスを増やすことができます。計画に沿ってアクセス数を増やすことができます。
しかし、広告出稿で増えたアクセスは、広告を止めるとなくなってしまいます。そのため、アクセスしてくれたユーザーにメールマガジンの登録を勧めたり、SNSアカウントへのフォローを提案するなど、再来訪を促せるような仕組みを持つことを検討する必要があります。
アドにはいろいろな種類がありますが、最初はリスティング広告の出稿がおすすめです。リスティング広告は検索キーワードに合わせて表示されるクリック課金の広告です。どのようなキーワードが検索されやすく、また実際にどの程度オウンドメディアに訪問をしてくれたのかを、管理画面上でキーワード単位で把握することができます。広告を出稿してアクセスを集めながら、同時にニーズの調査をすることもできるため、今後のSEO対策などを含めたコンテンツ制作の示唆を得ることができるます。
まとめ
オウンドメディアは、スマートフォンから気軽にアクセスできるため、今や企業のコミュニケーション戦略には欠かすことができない重要な役割を持つようになりました。ここでは解決型と提案型のコンテンツのご紹介をしましたが、工夫次第でいろいろな可能性を持つコンテンツを生み出すことができます。
なぜユーザーがアクセスするのかを十分にイメージして、アクセスの集まるオウンドメディアを作り上げていきましょう。