全世界が注目するスポーツ大会から人気アーティストを集めての音楽フェス、展覧会など。世の中には様々なイベントがありますが、多くの場合、企業の支援を受けて実施されています。これらのイベントはどのように企業にプロモートされ、どういった効果が得られるのでしょう。以下、企業がイベントに携わる形式の説明から、特に「協賛」についてフォーカスしながらポイントを押さえていきたいと思います。
イベント支援の形式
「主催」と「共催」
企業がイベントに携わるにはいくつかの形式がありますが、通常、企業の「主催」という場合、イベントに対しモノや金銭的支援だけでなく、運営そのものに主体的に関わることを指します。この場合、イベント実施中にトラブルが発生した時の責任も合わせて持つことになります。「共催」は複数の企業や団体でこれが行われた場合の呼び方です。
「協賛」
原則イベントそのものの運営には携わらず開催意義に賛同し、モノや金銭的支援を行う企業を指します。スポンサーという呼称がしっくりくるでしょう。大きなイベントの場合「協賛」社は複数社にわたることがあり、それぞれのランクを設定して実施されることがあります(後述)。「提供」と混同しやすいのですが、「提供」はそのイベントの放映番組のCM枠を買った広告主を呼ぶ場合に使われます。
「後援」と「協力」
両者とも運営には携わらず「協賛」に比べ金銭的支援は少ないか、または全く行いません。主にモノやサービス、場所を提供します。「後援」は公共性の高い団体や新聞社などが行うことが多く、例えばイベントの告知記事などの広報支援などをすることがあります。「協力」はイベントの中で実際に一部の役割を受け持つなどする時に使うことが多いようです。
Tips 企業のイベント参加にも様々な形が…どの立場で支援可能かを考える
イベントの「買い方」
プロモート
「主催」や「協賛」企業はもちろんそのイベントの意義そのものに賛同することが前提になりますが、世の中の注目度の大きなイベントについては大きな金額が動くことにもなり、きちんと協賛のメリットが明示されます。その場合多くは広告会社経由で協賛プロモートがなされます。イベントによってはある広告会社が独占的にプロモートできる契約になっています。プロモートを受ける企業は「協賛」に関する詳細な内容が記載された企画書と共に内容の説明を受けます。
協賛ランク
複数社でイベント協賛を行う場合、いくつかのランクに分けて協賛社を募ることがあります。例えば一番金額の大きいA協賛なら1000万円でこれだけのメリット、B協賛なら500万円でここまでのメリットなどといった形です。企業ロゴ掲出の大きさや頻度、掲出場所など様々な要素が盛り込まれており、このケースですと当然A協賛のほうが大きなメリットが含まれることになります。
冠イベント
一般に冠イベントとはイベント名の前に「○○presents」などとして企業名や商品名を冠するイベントを言います。大きなものでは新聞の番組表や放送中のイベント呼称も企業名をセットにして呼ばれることが多いので、ある期間中に認知度を上げるには抜群の効果があります。冠スポンサーは原則数年に渡り協賛を続けることが多いのですが、事情により撤退が決まると次の協賛社へ広告会社などがプロモートします。
Tips どの大きさで協賛するかは内容と予算で決定する
イベントの効果
協賛メリット
上述したようにプロモートされたイベントにはそれぞれ協賛メリットというものが明示されています。例えば以下のようなものです。
- イベント内の企業(商品)ロゴ掲出:大きさ、頻度、掲出場所、掲出の仕方など。
- イベントにおける商品使用:イベントにおいて独占的に協賛社の商品を使用するなど。
- イベント関連コンテンツの広告使用:協賛社の広告などにそのイベント関連の情報やコンテンツを利用できるなど。
- イベント関連コンテンツの販促使用:協賛社の商品キャンペーンなどでチケットプレゼントできるなど。
- チケット譲渡:協賛社にチケットそのものを○○枚譲渡するなど
- 提供枠優先販売:イベント放映番組のCM枠を優先的に購入できるなど
あくまで例ですが、このような内容をチェックしていきます。
効果測定
イベントの効果について何をもって測るかはその企業の狙いによって様々ですが、一般的には会社や商品の認知度、イメージ、信頼性のアップ、IR効果などでしょう。イベントの後に消費者に対してアンケート調査を行ったり、期間中に露出した記事や番組、またはSNS上で話題になった回数や内容を調査して広告会社が報告したりします。
Tips 協賛メリットをしっかり把握し、その後の調査も重要
まとめ
大きなイベントに協賛をすれば世の中の耳目が集中し、やり方によっては一気に企業の存在感を押し上げることも可能です。その裏側で莫大なお金が動くこともあります。消費者がイベントを通して見ているのは協賛する企業の姿勢や、理念といったものです。協賛にあたってはまずその催しの趣旨に賛同し、企業のイメージに合致するかを見極めること、そしてそこから得られる効果を冷静に予測することが大切です。
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