そもそも認知度とは何か?認知度が向上するとどういうメリットがあるのか?などを解説し、10のマーケティング施策の効果的な活用法や進めるうえでの注意点などについて説明していきます。
認知度を向上させて、商品・サービスの差別化、ブランド化を図り、非価格競争に持ち込みましょう。
そもそも認知度とは?ビジネスシーンでの言葉の意味を整理
マーケティング戦略を考える場合、「知名度を上げよう」とか「認知度が足りない」などと耳にします。ここでは認知度と知名度の違いを整理します。
認知度とは商品やサービス等が理解されている度合いを表す
認知度とは、商品・サービスの名前だけでなく、商品・サービスの内容や価値などが理解されている度合いを意味します。
名前は知っているが、どのような商品やサービスなのかよくわからないので購入まで踏み切らないような場合は、認知度が足りない状況です。
たとえば、テレビやパソコンなどを買い替える場合、メーカーの名前は知っていても、性能や品質についてよくわからないので、結局は同じメーカーのものを買ってしまう、などは商品の認知度が低い状態を表しています。
知名度とは商品やサービス等が知られている度合いを表す
知名度とは、商品やサービスなどの名前がどれだけ知られているかの度合いを意味します。
商品名やサービス名が知れ渡っていれば、知名度が高いといえるでしょう。
たとえば、部品メーカーや素材メーカーなどは通常、家電メーカーや自動車会社に商品を納入するため、一般消費者の知名度が低いケースが多いです。そうした会社が時折、インパクトの大きいテレビCMなどで会社の知名度をアップさせるようなケースがあります。
このように知名度を上げると、顧客の商品・サービスに対する安心感が生まれます。
認知度と知名度、違いとそれぞれの役割を認識しよう
マーケティングでは、商品・サービスなどの販売目標を効果的に達成できるように認知度と知名度の定義や目的・役割などを区別して活用しています。
認知度と知名度の違いは、内容や価値まで理解しているか、名前のみ何となく知っているかの違いです。会社や商品の知名度を上げ、顧客に安心感を与え商品に興味を持っていただき、認知度を上げて、購入の検討を促すという役割を認識しましょう。
したがって、認知度向上を目的としたマーケティングではそれに適した施策を打つ必要があります。
認知度向上の目的は商品やサービスを選んで購入・利用してもらうこと
認知度を上げるとは、商品やサービスの中身を理解してもらうことです。認知度向上の目的は当然、それらを購入・利用してもらうことでしょう。
たとえば電化製品なら、商品の基本機能、デザイン性などの特徴や競合商品や従来商品との違いなど理解してもらえれば、顧客の購入につながる可能性が高くなります。
名前を知っている程度では、購入にはなかなか結びつかないのが実態です。
認知度向上に向けた10のマーケティング施策
では、認知度向上に対するマーケティング施策にはどのようなものがあるのか、ここでは、10の具体的なマーケティング施策を説明します。
①マスメディア・マス広告
マスメディアの「マス」とは、一般大衆を意味し、「マス・マーケティング」とは不特定多数の顧客を相手にした画一的なマーケティング活動を行うことです。
比較的短い時間のなかで自社の名前、商品名・サービス名を覚えてもらうような手段が多く、知名度を向上させるためには効果的な施策です。
一方、認知度の向上は商品・サービスの中身・価値を理解してもらい、顧客に購入してもらうことが目的であり、マスメディア広告では、商品やサービスが持つ本当の価値の理解を促す認知度の向上には効果的とはいえません。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つのメディアについて理解したあと、それぞれの内容や違いをよく理解し、知名度の向上を実現したうえで、その後の効果的な認知度の向上に役立てましょう。
たとえば、テレビCMにより知名度を浸透させて、ブランドを意識してもらえれば認知度の向上にもつなげることができます。
テレビ
テレビは日本の家庭における最も広く普及したメディアで、伝達するスピードも速く、市場への影響力も最も大きい媒体です。会社や商品のイメージも伝わりやすく、比較的短時間で知名度が向上するでしょう。
テレビCMは大きく分けて2種類あります。ターゲット層の視聴が期待できるテレビ番組を指定して流す「タイムCM」と、特定の番組を決めずに、時間帯を指定する「スポットCM」です。
前者の方がターゲット顧客層に認識されやすいですが、その分放送費も高額になります。
ラジオ
ラジオ局は地域ごとに存在し、より地域に密着した広告を打ち出すことも可能です。
また、番組とタイアップした企画コマーシャルを番組に取り入れるなど柔軟な設定もテレビCMより安価でできます。リスナーにブランドイメージだけでなく、商品やサービスの内容や価値なども伝えることも可能です。
新聞
文字・イラスト・写真を活用して商品やサービス内容を伝えます。幅広い層に広告を打てる点と、日刊紙などに掲載されると社会的信用力も得られやすい点はメリットです。
ただし、新聞の発行部数は年々減少し、特に若者の新聞離れが進んでいるので、高齢者向けの商品やサービスの広告が適しています。
雑誌
雑誌は、特定分野の特定の読者層向けに作られており(例:ファッション雑誌でも主婦向け、働く女性向け、学生向けなど。またよりフォーマルな装いからカジュアル系など趣向によって細分される)、読者層にフィットした広告を出すと効果的です。
雑誌にはタイアップ広告と純広告があります。前者は雑誌内のコンテンツにて、自社商品の使用を通じて読者により具体的な商品提案をすることができます。後者は新聞同様に広告枠に広告を掲載するものです。
②屋外広告
屋外広告は、繁華街などの看板広告、街頭ビジョン、デジタルサイネージや電車やバスの広告などで、屋外での広告手段全般を指し、OOH(Out Of Home)ともいわれます。
街頭ビジョンやデジタルサイネージなどは視覚インパクトも大きいため注目を引きやすく、話題性のある広告を打ち出せば、ソーシャルネットワークなどでも拡散され効果がさらにアップします。
また、屋外広告は自社店舗などへの誘導にも活用されます。
近年はDOOH(Digital Out Of Home)というデジタル技術を活用し、映像放送ができる屋外広告が台頭しています。従来、屋外広告は一定期間同じ広告物(文字・写真など)を掲載していましたが、DOOHは状況に応じて広告内容を変更できるため、通行人により注目を浴びやすく街にもさらなる活気を与えます。
③プレスリリース
プレスリリースとは、企業や組織が発表する公式文書であり、経営・商品・技術開発からCSRまでその企業などが取り組んでいる内容を、マスコミや利害関係者など対外的に発信する情報です。
プレスリリースを見た報道関係者がニュースに採用するなど、費用をかけずに宣伝効果が得られる点がメリットです。さまざまなニュースが市場で話題になっている時にプレスリリースで会社が公式な意見を述べるという活用法もあります。
分かりやすいリード文や信頼性のあるデータを掲載する、あるいは、環境貢献・地域貢献など社会性のある情報などに留意して、マスコミが取り上げやすいプレスリリースを発信すると宣伝効果は高まります。
④純広告
純広告とは、雑誌・新聞など特定の媒体とタイアップせずに、単独で広告を展開している純粋な広告を指します。ここでは、より注目度の高いインターネット業界における広告について述べます。
画像を使用するバナー広告、文字だけのテキスト広告、画像やアニメーション、さらに背景画像を挿入するリッチ広告、ユーチューブなどで流す動画広告などがあります。
テレビや新聞同様、Webの広告枠を一定期間買い取るため、知名度は高まるでしょう。テキスト、画像、動画、アニメーション、音声付きなどさまざまな方法があるため、インパクトがある広告ができ、ブランディングなどにも役立ちます。
一方で、純広告もマス層をターゲットとした宣伝方法であり、知名度向上には適していますが、細かいターゲティングができないため、特定のニーズを持つ顧客層への伝達には不向きです。
また、人気のあるポータルサイトへの広告料金は高額なため、費用対効果を考えましょう。
⑤DSP広告
DSP広告はWeb広告の1つで、訪問者のインターネット上での閲覧履歴などを分析し、サイトの訪問者にあわせて広告効果を最適化します。
したがって、ターゲットを絞って発信したい場合に最適な方法です。また、過去に商品の購入やパンフレットなどを請求した訪問者と類似した行動パターンの訪問者をターゲットとした広告配信をする機能もあるため、広告の費用対効果も向上できるでしょう。
ただし、高度に最適化されたシステムで、自動的に広告枠を落札するため、広告の配信先は広告主側で管理できません。また、広告配信先の開示をしない事業者もいるため、業者選定には注意しましょう。
DSP広告も純広告同様、画像・動画を用いてイメージの訴求ができるため、インパクトのある広告が打ち出せます。
⑥動画広告
静止画ではなく、動画を活用した広告です。通信技術や半導体技術の発達により、パソコンやスマートフォンで大容量の動画を長時間にわたり快適に楽しめるようになり、動画広告の市場も大きく成長してきました。
文字や画像だけでなく音声も加えることができ、広告主はより多くの情報を正確に発信でき、短時間で高い広告効果が期待できます。
若者層はテレビよりもユーチューブやインスタグラムなどをパソコンやスマートフォンなどで楽しむ機会が多く、動画広告は若者層をターゲットにした広告にも適しています。
ただし、最近は競争力ある動画広告を制作するために有名タレントを起用する傾向も高まっています。コスト面に留意しましょう。
⑦ソーシャルメディア広告
ツイッター、インスタグラムやフェイスブックなどソーシャルネットワークを活用して宣伝する広告です。
インターネット上で展開する純広告の一種ですが、一般的なマス層への広告ではなく、「一対一」でターゲット顧客に向き合える点が特徴です。かつ、ユーザーが拡散すれば広告効果はさらに高くなります。
ソーシャルメディアごとにユーザー層の違いがあり、ターゲット顧客が頻繁に活用するメディアを選ぶ必要があります。
また、企業が広告を発信する以外に、インフルエンサーなどを活用すると、より消費者目線で自然な印象を与える広告ができ、そのフォロワーなどにも確実に情報が伝達できます。また、広告の効果測定がしやすいなどの利点もあります。
⑧オンラインセミナー・イベント
インターネットを活用したWeb上のセミナーで、ウェビナーとも呼ばれます。
新型コロナウイルスの拡大により、セミナーやイベントの代替手段として実施されるようになりました。
通常の広告以上に時間をかけて自社の提供する商品やサービスの説明を行ったり、参加者からの質問などに答えたりするので、消費者に確実に理解してもらえます。
オンライン上なので、本当に購入を検討する顧客層を全国から集客できることがメリットです。
⑨コンテンツメディア(オウンドメディア)
テレビ、新聞やインターネットポータルサイトなどから広告枠を買い取るのではなく、自社のホームページやソーシャルネットワークのアカウントで広告などを発信して認知度を上げようとするものです。
商品やサービスの広告だけでなく、ホームページでは発信しないようなノウハウやトレンド、あるいはお得な情報を、カジュアルなブログ形式などで流します。この手法で、顧客との接点を増やし、企業や商品などの認知度や親近感を高めてブランド形成や購入につなげることができます。
ただし、オウンドメディアが効果を発揮するまでには時間を要し、オウンドメディアの制作や運営を自社で行うのは容易ではない点に留意してください。当初は運営をプロに任せたほうが、より確実に成果を上げられるでしょう。
⑩デジタル音声広告
Web広告の一種で、インターネット上の音声広告です。音楽配信サービスやラジオ配信サービスなどで流れ、音声だけでユーザーにプロモーションを行います。
デジタル音声広告市場は、スマートフォンの普及や大手IT企業の音楽配信事業への相次ぐ参入、あるいは、広告出稿市場もより整備され、注目度もアップしています。
有料会員以外は音声広告をスキップすることができない音楽配信サービスもあり、リスナーに確実に広告を届けられます。インパクトがあり、記憶に残りやすいサウンドロゴを用いた広告を配信できれば、音声によるブランドイメージの浸透に役立ちます。
最近では、音声検索やスマートスピーカーを活用しAIと対話する検索手法の成長が予想されています。こうした対話を通じ、ユーザーの関心がある音声広告が配信される、対話型音声広告の開発も行われるなど注目度は高いです。
認知度向上に向けたマーケティング戦略・施策に取り組む手順
まず、顧客ニーズとターゲット顧客、自社商材の強みと他社との差別化要素を分析します。できるだけ定量的に分析し、ターゲット顧客はペルソナ化するなど絞り込むのがポイントです。
次に、広告目的に合った媒体で発信し、その結果を分析し次のマーケティングに生かします。詳しくみていきましょう。
自社商材の消費者層のニーズを把握する
消費者のニーズを把握する、とは、客観的な分析により顧客ニーズを読み取り、マーケティングに生かすことです。アンケートなどで定量的にニーズを測定しましょう。
消費者ニーズとは、顧客が自社商材を求める理由です。すなわち、顧客はなぜその商材に代金を支払うのか、どういった価値や利益を得たいと考えているのかに対する理解です。
言い換えれば、自社商材が顧客に与えるベネフィットの理解が第一歩になります。
自社の提供できる強みを自覚する
自社の強みとは、自社商材が優れている部分を意味します。ここで重要なのは、客観的であること。できれば他社の商材と定量的に比較し、優れている部分が強みです。
また、その優れた部分は顧客ニーズに合致しているかも重要です。たとえば、「技術力に優れている」といっても、オーバースペックで顧客の容認する価格帯より高価なものだと結局は売れません。新興国向けに、メイドインジャパンだから高品質だといっても新興国消費者層の所得水準では届かない商品だと結局、他国製品にシェア負けした、という話をよく耳にします。
したがって、競合商材との定量的な比較で強みを自覚しましょう。
ターゲットを絞り、理解を深める
把握した消費者ニーズを分析し、ターゲット顧客をペルソナ化していきます。ペルソナとは、自社商材を活用する典型的なユーザー像で、実在する個人のように年齢、性別、職業、年収、趣味、家族構成、ライフスタイルまでも特定します。
ペルソナを設定することで、社内やマーケティングチーム間での認識を統一し、正確なユーザー視点を共有化できる点がメリットです。
ちなみにターゲットとは、たとえば「30代から40代の独身男性」という属性を指し、ペルソナよりも解釈の幅が広くなるため、商材の訴求ポイントも漠然となる可能性があります。
競合調査を行い、差別化を図る
先述の「自社の提供できる強みを自覚する」がクリアされていれば、自社商材が他社と比較して何が強みなのかを理解できているので、違いをアピールすることができます。
単に違いをアピールするのではなく、以下の点を意識してプロモーション戦略を策定しましょう。
1. 他社商材と明確に優れた違いがあること
2. 価格以上の付加価値を打ち出すこと
大企業など経営体力のある企業との価格競争を避け、非価格戦略を取るようにしましょう。
ターゲットとコミュニケーションをとる適切な媒体を選択する
どの媒体で配信するかに関しては、広告の目的を明確にしましょう。知名度向上のため、ブランディングのため、認知度を上げるため、直接購入に結びつけるため、などがあります。
また、これまでのマーケティング手順で、顧客ニーズ、ターゲット顧客、強みと差別化は理解できているので、ターゲット顧客がよく活用するメディアを中心に選択すべきです。
たとえば、顧客年齢の若い層に発信するならWeb広告、中高年層なら新聞・テレビなどが適しているでしょう。
媒体でコンテンツを作り効果検証と改善を繰り返す
認知度向上のためのマーケティング戦略への手順はばっちりです。いよいよ実践段階です。その前に今回の広告媒体の活用について、何を検証してどのような効果を期待しているのかを明確にしましょう。
たとえば、「初回購入者のリピート率は50%以上」とか、「平日夜間と休日夜間にキャンペーンを実施した場合、平日夜間の方が20%多い」という検証基準を設定します。実績が出ると、達成(未達成)の理由は何か?次にとるべきアクションは何か?など検証を繰り返し、より効果的な認知度向上に向けたマーケティング戦略が実行できます。
認知度向上はなぜ重要なのか?
認知度が向上すると、顧客は真っ先に自社商品の購入を検討してくれます。また、商品・サービスの高評価は従業員に自信やプライドをもたらし、リクルートでも優位に働くでしょう。
認知は行動購買プロセスのはじめの一歩だから
マーケティングにおける購買行動プロセスにAISAS(アイサス)があります。A(Attention:認知・注意)、I(Interest:興味)、S(検索:Search)、A(行動:Action)、S(共有:Share)の頭文字を取ったものです。
似たようなものにAIDMA(アイドマ)という購買行動パターンが有名ですが、インターネット時代になり、従来のAIDMAをより進化させたモデルとしてAISASが使われています。
いずれにしても、認知(Attention)がなければ行動(Action)、つまり購入はありません。たとえば、ロゴを見たらすぐに商品名が思い浮かぶ、などが認知の第一歩です。
人材を獲得しやすく従業員に愛着を持ってもらいやすいから
認知度が高い商品を販売する企業も認知度が高くなる傾向にあります。社会的に信用力も生まれ、従業員の会社に対する信頼感や愛着も高まり、業務のモチベーションやその会社へのアイデンティティも生まれるなどプラスの効果を生みます。
また、採用時でも求職者は会社に対し、商品やサービスのイメージが先行し、採用などで「信頼できそうな会社」、「将来性がありそうな会社」などのポジティブなイメージを持つでしょう。
認知度を向上することで得られる効果
会社や商品の中身が消費者に伝わり、よい印象を与えると、その後のマーケティング戦略はいっそう効果的に進めることができます。
具体的にみていきましょう。
ブランド化・差別化
自社商品が広く認知されていれば、顧客層はその商品を理解しているため、顧客は商品に対してなにかイメージを持っています。
自社があらかじめ意図したイメージを顧客に提供できれば、やがて継続商品などのターゲットも設定しやすく、商品開発やプロモーションなども効率的です。
さらに、ブランドイメージそのものが他社商材との差別化にもなるため、価格競争に巻き込まれにくくなります。
口コミ・レビュー数の増加
ソーシャルネットワーク広告は企業から商品の情報発信を行う手段です。一方、口コミ・レビューはその商品を実際に購入した消費者がその感想をeコマースの商品サイト、ブログやユーチューブといったソーシャルネットワークで発信・拡散するものです。
消費者は会社から発信した情報よりも、同じ消費者目線から見た情報をより参考にする傾向があります。商品の良い点だけでなく、良くない点も記載されており、口コミ数やレビュー数が増加すれば、それだけ消費者は安心してその商品の購入を決定できます。
会社側も消費者の意見に耳を傾けることで、商品などの改善にも活用できます。
ファンの獲得・増加
認知度が上がると会社や商品の魅力も伝わり、消費者の中にもその会社や商品のファン層が形成され、ファンが増加すると、リピーターも増加します。
ファンが増加すると、新商品販売前からファンの間でソーシャルネットワークを通じて話題となり、販売当日から商品が売れるため販売コストが抑制できます。
また、自社アプリのダウンロード数も増加して、プロモーションもより正確にかつ低コストで実施できるでしょう。
認知度向上施策に取り組む際の注意点
マーケティング活動は、メディア戦略など華やかな部分に目が行きがちですが、実際には地道な努力の積み重ねであることを十分理解してください。以下、主な注意点を解説します。
認知度向上はゴールではなく売上を上げるための過程である
「認知度を向上することで得られる効果」でも記載した通り、ブランド化・差別化、口コミ・レビューの増加、ファンの獲得・増加などは、それ自体が目的ではありません。
こうした効果がリピート購入や他の潜在顧客の購買意思決定にポジティブな影響を与え、マーケティングコストを抑制しながらも売上高を増加させることがゴールとなります。
認知度向上により、最小限のマーケティングコストで最大限の売上高を上げるのが理想的です。
競合と違った切り口で取り組む
あくまで商品の価値や魅力を伝えるのが認知度向上のマーケティングです。競合と同じような方法で情報発信をすれば、消費者の目には競合と同じように映ってしまいます。これでは商品の理解は進まず差別化にはなりません。
そもそも競合との違いを明確にし、ブランド化や口コミなど非価格戦略で差別化を図る手法がブランド認知向上マーケティングです。マーケティングの切り口も競合と差別化をしましょう。
たとえば、競合がテレビなどマス・マーケティング主体でプロモーションしているなら、インフルエンサーやユーザーの体験談など消費者側の視点を取り入れながらPRすることで差別化を図ることができます。
短期的な結果を求めない
消費者が商品やサービスの価値や魅力を理解するには時間がかかります。
「媒体でコンテンツを作り効果検証と改善を繰り返す」でも記載した通り、マーケティング活動は仮説と検証の繰り返しを通じて、より成果が発揮されます。期待した成果を得るには一定の時間がかかり、地道な活動が必要です。
質の高いコンテンツ・商品・サービス作りに注力する
口コミやレビューでは、ポジティブなコメントだけでなくネガティブなコメントも掲載され、このような情報が拡散されてしまうと、逆効果です。
たとえば、衣服では「すぐに破れた」とか「HPと実物で色がかなり違う」などレビューされることもあります。商品の品質を落とさず、色合いも誤解のないように撮影するなど、広告と実際のコンテンツに差が出ないように注意するべきでしょう。
まとめ
認知度とは、消費者が商品・サービスの内容や価値を理解できている度合いを指します。
認知度が向上すると、消費者は他社の商品よりも真っ先に自社の商品を購入してくれるようになります。
認知度を向上させるマーケティング施策を効果的に実施するためには、マーケティング目的や顧客ニーズ、ターゲット、差別化を考え、適した媒体を選び、地道に仮説と検証を繰り返していきましょう。
認知度が向上すると、商品・サービスがブランド化し非価格競争に持ち込めます。また、外部評価が高くなると、従業員も自分の会社にプライドを感じ、リクルートでも良い影響を与えるなど好循環が期待できます。