流通店頭メディアや、店頭への導線メディアを活用!消費者を店頭に誘引する広告とは

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流通店頭メディアや、店頭への導線メディアを活用!消費者を店頭に誘引する広告とは

小売店や百貨店、ショッピングモールといった流通業にとって、広告活動の目的はより多くの生活者を自らの店頭に誘客することです。また日用品や生活用品など、消費者が流通で買うことが多い商材のメーカーにとっても、商品の広告やブランディングに加えて売場(買い場)に近いところで消費者に訴求する広告活動は非常に効果的です。

そこで今回は、消費者を流通店頭に誘引し、さらに店頭や店内で最後の一押し、消費者の背中を押すことができる様々なメディアについて紹介します。


店頭への導線メディア

生活者に何かの商品を買おうと思ってもらうところからすでに誘客が始まっているという意味では、テレビ広告やデジタル広告など全ての広告がその側面を持っていると言えます。取扱い商材がもしインバウンド向けのものであれば、もしかすると空港の到着ロビーのボードやビジョンから導線は始まっているかもしれません。 しかしここでは流通に近い比較的小さなエリアで、効率的かつ効果的な誘客のできるメディアに絞って見ていきましょう。

新聞折り込みチラシ

新聞折り込みチラシは、地域密着型のスーパーマーケットなどが自社店舗への効率的な誘客を図る手軽なテーブルメディアとして活用されています。DX(デジタルトランスフォーメーション)が取り沙汰される今日でも、全国的に概観すると、新聞折り込みチラシで「買うもの」に丸印を付けてスーパーに行くという購買行動は多くの生活者にとっての日常なのです。

交通広告

流通の商圏に近い交通広告もまた、誘客効果を高める使い方ができます。例えばJRや地下鉄の駅と地下通路などで連結しているような百貨店や大手家電などは、駅からの導線にある柱巻広告やデジタルサイネージなど駅メディアに集中的に掲出することで、入店直前にインパクトのある訴求をすることが可能です。よく見られる事例としては、デパートコスメや歳暮中元期のギフト商材などがあります。
またバスや路面電車の停留所のパネル広告(シティスケープなど)、駅単位で購入することができるデジタルサイネージや電飾看板も導線上の広告として設計することができます。これらは個々の商品よりは流通(小売業)や商品ブランドの認知向上に向いていることがご想像いただけるでしょう。

エリアターゲティング広告

WEB広告を使って、出稿エリアを店舗の商圏に絞り込んだ出稿をすることもできます。一例としてGoogle Display Network(GDN)があります。スマホを持った人が特定の場所から半径5km程度に入ると広告が掲出される仕組みで、エリアを絞り込んだ広告配信をすることができます。

ジオターゲティング広告

ジオターゲティング広告とは、スマートフォンのGPSやBluetooth、Wi-Fi等の来訪履歴を活用して広告出稿をするものです。特定の店舗に一定期間内に来訪した実績がある人、商圏内の別店舗への来訪者、店舗近隣の居住者や通勤者といった「立ち寄る可能性が高い想定顧客」に絞り込んだ広告配信ができます。

Tips デジタル化によって、GPSやBluetooth、Wi-Fi等の行動履歴から商圏に絞った想定顧客への広告出稿も可能に。

流通店頭メディア

モールスケープ

ショッピングモール等の駐車場から店舗入口までの導線にも大型の広告ボードがあります。MCドゥコーの「モールスケープ」などに代表されるこれらの媒体は、ショッピング目的で来街する消費者に対して、例えば新商品の発売等を大きなビジュアルで印象的に告知することができます。

店内BGM、レジ液晶POP

店内メディアの中でも注目されているものとして、コンビニの店舗内で流れるBGM放送の中で商品の音声CMを入れたり、レジ付近にある液晶ディスプレイで静止画広告を放映したりする広告パッケージがあります。これは全国同時に放送することもできますが、県単位さらには市町村や鉄道の沿線といったセグメントが可能なパッケージもあるので、幅広いキャンペーンに使える店内メディアだといえます。

デジタルチラシ

最近では印刷会社やSNSアプリ事業者が運営するサービスによって折り込みチラシはデジタル化され、スマホなどのスマートデバイスで見ることができるようになっています。
新聞折り込みチラシ同様、デジタルチラシはテーブルメディアとして流通店頭への導線メディアであるのみならず、店内でデジタルチラシを見ながら買い物をする店内メディアの役割も担っています。

電子POP

店内の定番棚の注目率を上げるため、またVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)や大量陳列に合わせ、電子POPを設置するケースもよく見られます。これは、定番棚などに小型モニターを設置し、CFや商品紹介の映像をながすというもので、映像素材の管理は手軽にあつかえるUSBやSDカードが現在では主流になっています。最近では紙製フレームのものなど、軽量かつ安価なものが増えており、使いやすくなっています。
ただしメーカーが設置する場合は流通との入念な事前の打合せが不可欠であり、映像素材の制作、モニターの設置とメンテナンス等が必要です。

推奨販売

実購買に影響を与える店内メディアのひとつに、推奨販売があります。
かつては食品売り場での試飲や試食といった印象が強かった推奨販売ですが、現在ではブランドの世界観やハロウィンなど歳時記的なイベントを体現するコスチュームで推販を実施したり、対象となる商品をバスケットに入れた消費者に対してスマートデバイスを活用してインスタントくじを実施したりするなど、「人」メディアとして売り場で消費者の背中を押す効果の高い施策のひとつになっています。
コロナ禍によって推奨販売の件数は下降しましたが、現在ではオンラインでの推奨販売など、新しい形の推販サービスも始まっています。

ARによる店頭/店内のメディア化

最近のビジュアルポジショニングシステム(街並みや建物の画像から現在位置や方向を特定するシステム)を使ったARシステムを構築することによって、店舗への導線や店舗の内部をそのままメディアにすることができます。
スマホアプリで店舗の外観や売場を映すと、実際の映像の中にキャラクターが飛び出してきて店内を誘導したり、定番棚から商品が飛び出てきたりといったCX(カスタマーエクスペリエンス)の設計が可能になります。

Tips デジタルチラシや店頭店内のAR化など、最近ではデジタルとアナログ融合型の店内メディアが登場。

まとめ

オムニチャネル(購買チャネルの複層化)や、OMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの統合)が進んでも、消費者が流通の店頭に出向いて商品を購入する行動はなくならず、むしろカスタマーエクスペリエンス(CX)の中で流通店頭は新たな役割を担い始めていると言えます。

そして、流通店頭に誘客するメディアの使い方も、今までとは違った導線(=体験)設計とクリエーティブによって、商品や流通業の新たな包括的ブランディングのツールになります。そしてそこにおいては、何事もすべからく一元的にデジタル化するのではなく、アナログ要素とデジタル要素の絶妙なブレンドによるCX設計が可能であり、それこそが流通メディア、導線メディアの大きな特徴だといえるでしょう。

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